人と違う仕事がしたかったんです。
学校を出て、就職するときに人と違う仕事をしたいなと考えていました。その時にたまたまテレビで庭師のドラマを見たのです。「庭師ってかっこいい」と思い深く考えず庭師の世界に入りました。

庭師になったことで現場をみれば目算で距離がわかりますし、奥行きが出る設備や植木の配置も感覚で掴めるようになったのです。
太陽の動きも勘案した独創的なデザインを提案できるので今は庭師をやっていてよかったと思っています。

善意には善意で返す気持ちで仕事をしています。
庭師の修行をしながら、ある程度できるようになると、自分の力で稼ぎたいと思い親方の元を飛び出しました。その時は黙っていても仕事は来るものだと思っていましたが、世の中はそんなに甘くはありません。独立後、たちまち仕事がなくなり、波止場でカモメと遊ぶ日々を送っていました。車やバイクを売って食いつなぎながらそれでも人の下には入らないと決めて踏ん張っていたのです。